「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~【学校の新しい生活様式】」というものがあります。全国の学校が学校運営を行う上での指針としているマニュアルです。
マニュアルには「児童生徒への指導」のなかに「基本的な感染症対策の実施」という項目があります。そこには大きく3つの対策が書かれています。
① 感染源を断つ ②感染経路を断つ ③身体全体の抵抗力を高める
①②については、学校現場で取り組む多くの具体策が提示されています。しかし、③については特に具体策は示されていません。
文科省に電話で確認したところ「各自治体で独自の指針を作り、実践し、子どもたちを感染症から守ってください」との回答でした。しかし、岐阜県や各市町村・園や学校などが独自で提示する具体策はコロナが始まって2年たった今も、明確には存在しないのが現状です。
3番目の身体全体の抵抗力とは「免疫力」のことです。では「免疫力」とは何でしょう?
免疫力とは「ウイルス・細菌などの病原体を体が異物と判断して排除したり、老廃物・異常細胞・死んだ細胞の処分をしたり、傷付いた組織の修復をする力のこと」です。体内をパトロールするお巡りさんのようなものですね。
免疫には2種類あります。「自然免疫」と「獲得免疫」です。
<自然免疫>
カラダの中の、お医者さんたち
もともと人間に備わっている免疫機能。体調によって変化します。
最初にウイルス・細菌を防いでいる組織は、皮膚や口腔・上気道・腸内を守る粘膜など。
特に「皮膚」は非常に強い防御機構。皮膚の表面に住み着いているたくさんの微生物が強力に外界の異物から身体をガードしてくれます。
外界とダイレクトに接する「粘膜」は日々、免疫の前線です。粘膜はウイルスや細菌が容易に体内に侵入できる入口ですから、免疫の腕の見せ所。粘膜が潤っていると異物を排除する力は十分に働いてくれます。
粘膜の層を破って体内にウイルスや細菌が侵入すると、異物排除の主担当、好中球やマクロファージなどが迅速に反応して攻撃し、速やかに体外に排出します。
<獲得免疫>
くしゃみ・鼻水・咳などの行為
自然免疫からの連絡を受け、自然免疫だけでは退治しきれなかったウイルスや細菌に対して、さらに明確で強力な攻撃をします。キラーT細胞やB細胞が作る抗体などです。
咳・痰・くしゃみ・鼻水・下痢・発熱など、すべてが免疫の働きで、カラダを強くする行為です。風邪などをひいた時に、これらの症状を薬で抑えると、治りにくくなってしまいます。
ちなみに、消毒液は、皮膚の防御機構を破壊してしまいます。過度な消毒は、実は逆感染対策(感染しやすくする対策)なのです。
免疫力が適正に働けば、新陳代謝もスムーズに行われます。風邪などにかかりにくくなりますし、古い細胞と新しい細胞の交換も速やかに行われます。しかし、免疫力が低くなると全ての機能がうまく働かなくなります。また免疫力が高くなりすぎると、オーバーヒートしてしまいます。
何事もバランス。私たちの身体の仕組みをよく知り、自分自身を信頼して生きていきたいものですね。次回から具体的な対策をご紹介します!
*本記事は日頃の活動で得た情報をまとめたものです。
Comments